沖縄の希少な小コウモリの保全生物学
これまで、リュウキュウテングコウモリ(Murina ryukyuana) とヤンバルホオヒゲコウモリ(Myotis yanbarensis) に関しては研究が僅かしか行われず、両種の生態の多くがこれまで謎に包まれていました。そのため、これら2種の小コウモリを保全するための方法が不明な状況でした。両種とも主に単独性で、森林(樹洞や葉っぱ)をねぐらに使うと考えられます。このため、発見が難しく、調査が困難でした。
「やんばるの森」における発見以来、これら2種の小コウモリは3つの島(沖縄島・徳之島・奄美大島)でしか確認されてきませんでした。IUCN(International Union for the Conservation of Nature )及び環境省によると、リュウキュウテングコウモリ(写真左)は絶滅危惧(Endangered)、ヤンバルホオヒゲコウモリ(写真右)は絶滅寸( Critically Endangered)であると考えられています。


2018年2月、22年前に発見されたヤンバルホオヒゲコウモリの捕獲調査に臨みました。捕獲調査と自動録音機を組み合わせることで、徐々に本固有種の分布が明らかになってきました。ヤンバルホオヒゲコウモリは、分布域が非常に限られているかもしれず、本調査の目的はこの利用を明らかにすることです。希少種となっている原因を探るために、ラジオテレメトリーにより両種のねぐらを追跡しています。

なお、本プロジェクトは、下記団体の支援のもと行なっています。


